格安古民家の探し方

 

チ~
田舎に引っ越したい
タ~
よし。ほな家探してみよか
と、こんな感じで始まった田舎の家探し。
もちろん、ここに至るまでの経緯は色々ある。
私の体調問題や、仕事の問題、家族の都合、などなど公の場所には書ききれない個人的な事情はいくらでもある。
とはいえ、割とあっさり田舎への移住は決まった。
最初から大都会に住んでいたわけでは無く、地方の中では割と中心部の団地に住んでいたというだけなので、そんなに大移動ではない。車で1時間も走れば立派な田舎である。
なので、休みの日に家を探しに現地に行くこともできたし、近所の人の雰囲気を知ることも出来た。
だからこそ、候補地や選択肢が沢山ありすぎて家を探すにもどこから手を付けていいやら?となったので譲れない条件を夫婦でそれぞれ出していく事にした。
タ~
駐車スペースが4台以上あること!これは譲れない
※タ~さんの趣味は車いじりで、団地時代から夫婦2人で車3台所持。
チ~
私の希望は夫婦それぞれのリモートワークスペースがあること!

※当時はコロナ真っ最中で、それぞれリモートで会議することが多く、音漏れや背景など気を遣うことが多かったので。

タ~
仕事用の資材や道具を安心して置けるスペースがあったら助かるなぁ
※建築関係の仕事をしているので、これも必須。
チ~
来客が多いから20名くらい集まっても平気な広い部屋が欲しいなぁ

※夫婦ともにお酒が好きで、みんなでワイワイ飲むことや宿泊客も多いので、来客用の部屋も必須。

タ~
せっかく建築業してるんだし、自由にリノベできれば練習にもなるし楽しいよね~
※もともと電気工事が専門で、少しずつ内装業や塗装業の勉強も始めていたころだったので実践したくてウズウズしていた。
チ~
広くて使いやすいキッチンに憧れる~
※団地暮らしが長く、使いにくいキッチンでずっと我慢していたので。
タ~
せっかく田舎に引っ越すんだし、隣家があんまり近いのは嫌かなぁ
※タ~さんは音楽も趣味なので近所迷惑を考えなくて良いのは魅力。私もすっぴんパジャマでウロウロしやすいのが魅力。
チ~
あと出来たらペット可だと嬉しいよね。いつか猫を飼いたいなぁ
※今思えば不思議だが、これは割と優先度の低い条件だった。この時は。
条件を見て頂ければお気づきかと思うが、最初は家を購入するつもりは無かったのだ。
賃貸でリノベ自由な古家があれば良いなぁ。田舎だし探せばあるよね~ と気軽に考えていた。
実際に数件は家賃1~3万ほどでリノベ可物件は見つかったのだ。
田舎といえば、空き家問題。空き家問題といえば、田舎だ。
できれば誰かに住んで欲しい古い空き家は、探せばどの地区にも数件はあった。
とはいえ、古い家にそこまでお金をかけたくないという大家事情もどこも同じである。
「安くで貸す代わりに、修繕費用は借主側で負担してね」という条件が一般的だった。
そしてそんな借家は、だいたい雨漏りやシロアリなどの被害が出ており、大がかりな修繕が必要な家なのだ。
それは覚悟の上ではあったのだが、いざ試算してみると人件費が無料とはいえ、材料代だけでも数十万はかかってしまう。
自分の家ならまだしも、いつまで住めるか分からない借家にそこまで先行投資はしたくない。
持ち家なら、お金をかけて修繕しても資産となる。(もちろん災害破損や固定資産税などのマイナス要素もあるが)
そこで、途中から借家だけではなく売家も視野にいれた家探しが始まったのである。

WEB上で格安古家を探す方法

タ~
とりあえず、ネット上で目ぼしい物件無いか探してみてよ。良さげな物件あれば今度の休みに見に行こ。
チ~

OK!探しとく!ちなみに予算は?

タ~
ん~、購入価格と改装費用合わせて、2~3年分の家賃代分くらいまでなら出せるかな?
チ~
・・・ということは、ざっと150万円以下ということで。
当時は団地住まいだったが、だいたい年間で家にかかる費用は50~60万円くらいだった。
2-3年住んだら元が取れるくらいの一軒家を目指して、調査を始める。

①不動産HPで探す

地方住みなので、都会よりは低価格の中古物件の数は多い。

とはいえ、300~500万円の物件ですら格安と呼ばれている世界。

我が家の予算(150万円以下)は、普通にHP検索しても希望通りの格安物件には出会えない。

そもそも、不動産屋の利益となる仲介手数料は物件の取引価格に比例して大きくなるものなので、できるだけ高額な物件を取引することにより儲けを出したいはずなのだ。

大手の不動産会社ではリフォーム必須の古民家の取り扱いは少なく、地域密着型の不動産屋だとHP更新が追い付いていないというのが田舎の現状だ。

とはいえ、ネットで得られる情報もゼロではない。

「古家付き土地」「土地(古家あり)」などのワードで検索すると、住めそうにない古い家が残ったままの土地の情報がヒットする。

古家の解体費用を差し引いた価格で土地が売られていたり、建物の価値はゼロとみなされて査定されている場合が多いので、比較的低めの値段設定である場合が多い。

この「古家」というのがどの程度の古家か、がポイントとなる。

トイレやお風呂などの水回りが完全に使用不可の状態だったり、床や天井の全面貼り替えが必要なボロボロフカフカな家だったりする。

結果的に私たちの予算で修繕可能な古家はなかなか見つからなかったが、数件の物件を見て回ることができた。

結果的に不動産屋を通しての契約はしていないので、申し訳ない限りだが、親切な担当者に出会うことができ、その地域の土地の価格や環境を教えてもらうことができ、有難かった。

ネットで得られる情報の手軽さと、対面で得られる情報量の多さ、まだまだ両方が必要な時代なのだ。特に田舎では。

②空き家バンクの活用

次に利用したのは、空き家バンク制度だ。

自治体によりルールや熱量が違うので一概には言えないが、多くの市町村で取り組まれているのではないだろうか?

県外や別の市町村からの移住が条件だったりすることが多いので、近場の引っ越しには利用できないのが難点だ。

私たちの場合は条件をクリアしていたので、物件を紹介してもらうことができた。

紹介制度も自治体により違うのだろうが、私たちの場合は役場の職員さんが対応してくれた。

親切ではあっても、担当者が不動産や建築に詳しいわけではない素人の場合も多いので要注意だ。

不動産会社ではないので、役場職員は賃貸や売買の契約には関与せず、あくまでも貸主・売主と借主・買い主を仲介するだけという立ち位置となる。

間取り図がおかしかったり、シロアリや雨漏りなど致命的な問題点に気が付かないまま紹介されている物件もあった。

例えば、階段部分が劣化とシロアリ被害により崩れており2階へ上がることが出来ないにも関わらず、1階の見た目はキレイだったため、即住めるお得な物件として紹介された事がある。

数週間住むくらいなら問題無いだろうが、2階がどうなっているか分からない、いつ倒壊するか分からない躯体なんて怖すぎる。

そうした注意点もあるが、基本的には格安で売買・賃貸物件を見つけることができ、価格や条件などの家主との交渉も可能なので利用価値の高いサービスだと思う。

 

似たような情報源として、ジモティーやゼロ円物件紹介サイト、自治体の購買物件情報なども活用できる。

タイミングが良ければ我が家の条件でも良い物件に出会える可能性はあったのだが、今回は良い物件に巡り合うことはできなかった。

タ~
半年くらいかけて探して、実際に20件以上は見に行ったよね
チ~
どの物件も価格や状態に問題があって、決め手に欠けたんだよね。でものんびり探してたから、楽しかったよね~
タ~
低予算で無茶苦茶な条件出してるのに、不動産屋も役場の職員さんも丁寧に対応してくれる人が多くて有難かったなぁ
チ~
うんうん。良い人が多くて、この地区に住みたいって気持ちが強くなったよね
結果的には我が家の場合は、HPを使った空き家探しは成果は出なかったが移住に役立つ情報をたくさん仕入れることができたので有意義な過程だったと思う。
最後に地元の人への聞き込み過程へと進んでいくことになる。

③地元の人への聞き込み

地道で勇気のいる探し方ではあるが、住みたいと思っている地域に直接赴くことが出来るのであれば有益な方法だ。

私たちの場合は移住を考える地域に住む友人がいたので、友人たちにお願いして近所の空き家情報を聞くこともできた。

他にも、道の駅や商店などに出向いて地元の人と会話してみることもした。

田舎では割とあるあるだと思うのだが、移住者ウェルカムな地区と、そうではない排他的な地区がある。

住むとなるとご近所付き合いも避けては通れない問題となるので、地区の雰囲気やご近所さんの様子も知っておきたいところだ。

地域での集まりの頻度や熱量、子育てのしやすさ〈我が家には関係無いが)新参者を受け入れてくれる地域なのか、些細なことだが家庭ゴミの出しやすさや区費なども気になる。

空き家を何とかしたいと考えている地域であるほど特に協力的で、快く情報を提供してくれた。

なかには、漁師さんが多い地域で朝が早いため、住むなら夜の出入りは控えめに夜中は静かにしてほしい、という地区もあった。

移住者の自己紹介を区誌で扱うことや、毎月の神社の清掃への参加が移住条件だという地区もあった。

詳しく聞いてみると、そこは移住者が特に多い地区のため、トラブル防止のためにもルールは厳しめにしているとの事だった。

 

タ~
ビックリする条件もあったけど、住んでから知るよりは前もって聞いておく方がいいよね
チ~
空き家問題の解消も大切だけど、もともと住んでいる人達の生活が守られることも大切だよね
タ~
家や価格面の条件ばかり気にしてたから、これは盲点だったよね。前もって聞けて本当に良かったよ
チ~
せっかく住むなら、仲良く気持ちよく暮らしたいもんね~
田舎暮らしや移住が流行りだして、移住に伴う人間関係のトラブルも聞くようになった。
なかには防げないトラブルもあるのだろうが、前もって地区の情報を聞いておくことで防げるトラブルも多いだろう。
そして結果的に我が家は友人の紹介によって、価格、家の状態、地区の雰囲気、すべてにおいて理想的といえる家に出会うことになった。
長くなったので、続きは別記事で。
最新情報をチェックしよう!