理想の猫と出会う方法―我が家の場合

最初に言っておこう。

「理想の猫と出会う方法」

そんなもの、人それぞれである。

10件の猫飼いさんに聞けば10通りの出会いエピソードがあり、どれも素敵な出会いに違いない。

ペットショップ、保護猫団体、ブリーダー、路上、知人の紹介などなど、そのどれも否定するつもりは無い。

そこに幸せな猫と幸せな飼い主がいるのであれば、それは間違いなく幸せな出会いである。

※↑ちょっと名言っぽくなったので強調してみた。

そもそも、なにをもって「理想の猫」「理想の出会い方」とするかが問題だ。

あなたにとっての理想の猫とは?

元気なら何でもいい。病気であっても、そこに存在してくれれば何でも良い。猫様が幸せを感じてくれていれば何でも良い。

最終的に愛した猫に求める理想はここに行き着くはずだ。

もちろん、我が家もそうである。

とはいえ、猫を飼おうかな…と思いはじめた時に「我が家にとっての理想の猫とはどんな猫だろう?」と考えてみるのは大切だと思う。

例えば婚活もそうではないだろうか?

ある日突然、運命的な出会いをして恋に落ちる場合はともかく、普通はまず理想のお相手をイメージしてみるはずだ。

その次に、理想に近い相手に出会えそうな場所や方法を検討するのではないだろうか?

猫も同じく、人生を共にする家族だ。

ある日突然、路上で出会ってしまうこともあるが、計画的にお迎えするのであれば慎重に検討したいところだ。

しかも夫婦双方の意志で決まる結婚とは違い、飼い主側の人間に100%決定権がある。

猫の一生を人間の意志で決めてしまうのだから、飼い主には飼い猫に間違いなく幸せになって頂かなければならない。

そのためにも「我が家にとっての理想の猫とはどんな猫だろう?」と真剣に考えてみるべきだ。

ちなみに我が家の場合は、こんな事を考えた。

タ~
仕事上、長時間のお留守番は避けられないから、お留守番できる猫であることはマストだね
チ~
ということは、甘えん坊すぎたり、イタズラっ子すぎたりすると危険だね
タ~
でも僕たちは猫飼い初心者だから、飼いやすい子だと有難いね
チ~
お世話が大変な持病があったり、人嫌いだったり、生後間もない子猫だったりは、ちょっとハードル高いかもね

 

タ~
我が家は来客も多いし、リノベ中だから工事の音もするけど、大丈夫かな
チ~
あんまりにもビビりな猫ちゃんだと可哀そうかもね~、そうなると性格がある程度分かってる成猫をお迎えする方が安心なのかな
タ~
子猫の可愛さも魅力的だけどね。でも僕は可愛がりたいから、ある程度は甘えてくれる子が良いな
チ~
子猫から飼う方が懐いてくれそうなイメージあるよね。でも懐いてくれれば成猫でも可愛がれるよ
タ~
血統書や毛色にはこだわり無いなぁ、長毛可愛いなぁとか思うけど、飼ってしまえば多分どんな子でも可愛いし
チ~
私もそう思う。じゃぁペットショップで購入する必要はないね。初期費用を抑えて他の猫グッズに投資しよう
タ~
そもそも、まだ家のリノベ途中だから、今すぐ猫を迎えるのは気持ち的にも経済的にも、ちょっと自信無いんだよねぇ
チ~
分かる。でも保護猫カフェとか行っちゃうと、きっとすぐに飼いたくなっちゃうよね
タ~
じゃぁ今は積極的に猫を探すのはやめておこう。でも猫ちゃんとの出会いがあれば、お迎えする方向で検討しよう
チ~
そうだね。いつ猫と出会っても良いように準備はしておこう
と、まぁ結局「理想の猫」はあって無いようなものだったが、我が家にとってのNGはハッキリした。
ペットショップやブリーダー等で初期費用に多額を費やすことはしない。
保護猫カフェや譲渡会などに行って積極的に猫を探すことはしない。
そして、何となくの「理想の猫」も見えてきた。
大きな持病やトラウマなどが無く、飼いやすい猫であれば助かる。
お客さんや大きな音にもビビらない、ノビノビした猫であれば、さらに助かる。
欲を言えば、お留守番対応もしてくれるが、飼い主には甘えてくれる、よくできた猫だとめちゃくちゃ有難い。
こんな感じで、欲を詰め込みまくった我が家の「理想の猫」が誕生した。

理想の出会い方とは?

猫と出会える場所は実は色々とある。

いくつか考えてみよう。

①ペットショップやブリーダー

飼いたい猫の種類や色が決まっており、子猫から飼いたいという気持ちが強ければ、ペットショップやブリーダーを選ぶのが良いのだろう。

猫エイズや白血病や、猫風邪などの病気にかかっていない保証が欲しい場合も、この出会いは有効だ。

それでも、後から病気が見つかってしまう可能性や、大きな病気をする可能性はどの猫にも等しくある。

それでも母猫が管理されており、生まれた時から良い環境で育てられた子猫であれば、お迎え時点での病気の心配はないだろう。

初期費用が高くなることがデメリットだが、お金を出すことで得られるメリットも沢山あると思う。

我が家の場合は、最初から選択肢になかったが、ペットショップを否定するつもりは全くない。

②保護猫を引き取る

保護猫を引き取ろうと思った場合でも、保健所、保護猫団体の譲渡会、保護猫カフェ、ネットやチラシなどの保護猫情報など、出会い方は様々だ。

中には譲渡条件の厳しい団体もあると聞く。

我が家は保護猫団体に問い合わせることはしなかったが、今思えば、留守が多いことや、リノベ中の自宅で危険が多い等の理由でNGになる可能性も高かったのでは。

譲渡に伴う費用や条件は様々だが、それも込みで自分に合った譲渡方法を探すことができるのは魅力的だ。

持病がある、成猫である、人馴れしていない、色んな難しい条件についても事前に分かっている場合が多いので、よく検討して覚悟を決めることもできる。

色んな偶然が重なり、色んな人と出会い、愛され大事にされてきた経緯や、多くの人の思い、それらを引き継ぐことが出来るのは保護猫ならではの魅力ではないだろうか。

③友人/知人の紹介

まさに婚活のような表現だが、これも有効な出会い方の一つだ。

猫好きであれば、自然と猫好きの友人が増えるものだ。

猫好きであれば、なぜか猫と出会ってしまうものだ。

自宅の猫が出産した、猫を拾ってしまった、などなど、意外にも友人からの紹介で猫に出会う確率は高い。

猫を飼いたいなぁと思っているなら、猫好きの友人たちに声を掛けて情報収集してみるのも有りだ。

確実に猫に出会える保証はないが・・・・

④偶然の出会い

これは願っても叶うものではない。

とはいえ、偶然の出会いが奇跡の出会いになったというエピソードは多い。

猫は飼い主を選ぶことは出来ないと前述したが、もしかすると実は猫の方が飼い主を選んでいるのかもしれない。

だとすると、選ばれることは光栄なことである。

とはいえ、猫を飼う準備が整っていない、家族の反対やアレルギー発覚など、不安要素も多く含んだ出会いではある。

 

そして我が家の場合の出会いは③に④を少し足したようなものであった。

理想の猫と出会う方法-我が家の場合

結局、なんだかんだと理想を語ったところで、出会うときは出会うし、出会ってしまえば好きになってしまうのだ。
我が家の場合は、上記の家族会議から2か月後ほどに出会ってしまった。
きっかけは、友人のラインのステータスメッセージ「子猫の里親募集中!」の文字だった。
近くに住む友人だったので何があったのだろう?と気になり、詳細を尋ねてみることにした。
聞くと、友人の上司宅に妊娠した母猫が捨てられており、母猫は上司宅で保護することになったものの子猫は引き取り手を探しているとのことだ。
友人自身も1匹は引き取ろうと思ったものの、先住猫の白血病が発覚してしまったため引き取りは断念し、せめてもと里親探しに協力していたようだ。
そのような内容と共に、こんな写真が送られてきたら、もう居ても立っても居られなくなってしまい、次の日に猫を見に行く約束をしてしまった。
見に行くことにしたものの、まだ飼うと決めたわけでは無かった。
我が家の猫にとって不利な要素をクリアできそうだ、という安心感が欲しかった。
あまりにも弱々しかったり、ビビりまくってるようなら、我が家では幸せにできないかもしれない。
まだ子猫なので性格が完全に分かるわけでは無いのは承知の上だが、それでも安心材料が欲しかった。
保護主さんの意志も大切だ。こんな初心者に大事な猫を任せられないと言われてしまえばそれまでだ。
そんな期待と不安の入り混じった複雑な気持ちで会いに行くと・・・
文句なしの安定の可愛さである。
保護主さんも、忙しい中で最低限のお世話しか出来ていないことを嘆いておられる良い方だった。
保護状況は、家の軒先で雨が入る場所で、ノラ猫の多い地域でもあり、お世辞にもとても良い環境とは言えないが、愛情はたっぷり注がれていた。
子猫は目ヤニと鼻水などの風邪のような症状が出ているが病院に連れていく時間は無いので、1日も早く飼い主を見つけたいとの事だった。
健康状況に不安要素はあったのだが、母猫の性格と母猫への子猫の接し方を見ることが出来たのは良かった。
母猫は小柄でまだ若そうだったが、一生懸命に子育てをしており、人にも慣れていた。
母猫の性格も少し観察してみたが、甘え上手で物怖じせず、食欲も旺盛で、とても飼いやすそうな猫であった。
子猫の性格はまだハッキリ分からないものの、このお母さんの子供なら良い子なんじゃないか?、そう思えた。
外で暮らしているからか、大きな音や初対面の人間にも動じず、マイペースで遊ぶ子猫たちを見て少し安心することもできた。
とはいえ子猫は全部で5匹。さすがに猫初心者に5匹は無理だ。
私は2匹までなら良いのでは?と思っていたが、タ~さんは1匹だけと決めていた様子。
5匹の中から1匹を選ばなくてはならない。5匹の内訳は茶白4匹(オス2匹/メス2匹)にキジ白1匹(オス)。
みんな可愛かったのだが、茶白の猫たちの中でキジ白の子猫は特に目立っており、茶白の子猫たちが母猫に甘えているのに対し、キジ白くんは一人で楽しそうに遊んでいた。
母猫が構おうとしても「今はそっとしておいて!」とでも言っているかのような素振りだった。
まだ生後1か月ほどだったので、母猫と引き離すのは可哀そうな気もしていた。
が、ノラ猫やカラスもいる外暮らし。目ヤニや鼻水も出ており、風邪気味の様子。
あまり良い環境ではないのは確かなので、1日も早く屋根の下に連れて行ってあげたい。
5匹みんなは無理だけど、まずはキジ白くん、君だけでも・・・・
というわけで、キジ白のテトくんが我が家にやって来たのである。
うん。かわいい。
可愛すぎる。
あの時、テトをお迎えできて本当に良かった。
性格は少しだけ思ってたのと違った。
母猫を邪険に扱っていたのは独立心ではなく、ただのツンデレをこじらせていただけだった。
とはいえ、物怖じせず甘えん坊で人見知りもしない。
掃除機も電動工具も雷もヘッチャラな強い子。
お留守番も頑張ってくれる。
ちょっと繊細で、ストレスがたまると便秘になったり吐いたりするが、おおむね健康。
我が家の理想どおりの素晴らしい猫様に育ってくれた。
その後、4匹の茶白ちゃん達も見捨てられず、お世話をして飼い主を探すことになり、リノベと5匹の子猫に振り回される1か月がやってくるのだが・・・
それはまた別のお話ということで。
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